麻酔を使うか否か

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麻酔をする前に聞くこと

僕は麻酔を使う場合は前もって患者さんの了解を得ますが、二通りの聞き方があります。

  1. 麻酔をする事前提で了承して貰う聞き方
  2. 麻酔をするか否かから患者さんに選んで貰う聞き方

ベネフィットがリスクを上回ること

麻酔だって体に薬剤を注入するものなので、感染や中毒やアレルギーなのどリスクがゼロでは無く、副作用だってあります。病気を持ってらっしゃる方や妊娠なさってる方に対してはより慎重にならざるを得ませんが、基本的にリスクよりベネフィットが上回る時に麻酔をするという選択をします。これは麻酔に限らず、全ての治療について共通する考え方です。

なのでその選択は当然一番理解が深い僕の判断に基くものではありますが、患者さんの意思は尊重しなければいけません。痛みを我慢する方が血圧上がっちゃって危険ですよ?と説明しても麻酔を打ちたくないと言われたら麻酔無しで治療する場合もあります。でも、大抵の場合は「麻酔しますけど、いいですか?」と聞いた場合は、やれば必ず痛みを伴う処置で、麻酔を打った方がリスクを考慮しても色々ずっとマシっていう事だと受け取って頂いて構いません。

無麻酔の提案

例えばすごくちっちゃなムシ歯で、痛く無くできる事が明らかな場合は「痛く無くできるので麻酔はしないでやりますよ」とあらかじめ断ります。でも、痛く無くできるかもしれないけど、ひょっとするとちょっとだけ痛いかもしれないって場合は患者さんに麻酔をするか否かを選択して貰います。どういう時かって言うと、ちっちゃなムシ歯なんですけど象牙質に及んでいて、なおかつCR充填という、その場で詰めて、詰めたものに光を当てて固めてしまう方法で治療する場合です。この場合、削るのはムシ歯になった部分だけで、ムシ歯になった部分には感覚がありませんから、それを削るのは痛く無いんです。ただ、ムシ歯を全部削り終わった時に削る道具と健康な象牙質が接触しますので、その時だけ沁みるような痛みを感じます。感じはしますけど、それはもう削る必要が無いっていう合図ですから我慢させてもっと削るという事はありません。その時の痛みは強いものではないだろう事は想像できますが、そんなちょびっとの痛みでも、いつ来るかドキドキしながら治療を受けるのが嫌な方は麻酔を使う選択をしても構わないと思います。僕も、削られたら痛かった!と思われるのは嫌なので、患者さんの希望通りにします。

患者さんが迷っている時

患者さんが迷いに迷ってなかなか決められない時に妥協案として「じゃ、もしも痛かったら、それから麻酔しましょうか」って場合もありますけど、それから麻酔なんて事態はまず起こりません。痛みを感じた時点で、ムシ歯部分は全て削り終わったって事なので、もうそれ以上削る必要無いんですから。逆にその処置の時に「麻酔しないでやる」って決めたとしても、痛みを我慢させるのなんて嫌ですから、「だって麻酔しないって決めたじゃん!」とかって言い張らないので、結局は「もしも痛かったら麻酔しましょうか」と「麻酔しないでやりましょう」は同じ事なんですね。

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