むし歯のでき方

飲食のたびに脱灰と再石灰化を繰り返し、そのバランスが取れている場合にはむし歯はできませんが、バランスが崩れるとむし歯が進行して穴が開いてしまいます。

demineralization&recalcification

脱灰

プラークの中で繁殖したむし歯菌は、糖を素に乳酸を作り出します。すると、プラーク中のpHが下がります(酸性になります)。
ご存じの通り中性はpH7.0、それよりも数字が増えるとアルカリ性で減ると酸性です。
pH5.5ぐらいからエナメル質中のリン酸カルシウムなどのミネラルは溶け出てしまいます(脱灰)。象牙質ではpH6.0ぐらいです。

そして、飲食を行うと短時間のうちにプラーク中のpHは5.5を通り越して下がってしまいます。

再石灰化

しかし飲食後1時間程度で、唾液に含まれる成分によりpHは中性付近まで回復します。それに伴って、唾液中よりミネラルが補給され脱灰されたエナメル質は修復されます(再石灰化)。

脱灰と再石灰化のバランス

プラークに接している歯の表面では、飲食をする度に脱灰と再石灰化が繰り返されていますが、脱灰と再石灰化のバランスがうまく取れている場合にはムシ歯になりません。脱灰の量が再石灰化を上回る状態が続くと、やがてエナメル質が崩れて穴があいてきます。これがムシ歯の始まりです。
では、どのような時に脱灰の量が再石灰化を上回るのでしょうか?

飲食の間隔が短い場合

例えば、おやつを含め一日4回飲食をする場合、その間隔は充分に開いています。飲食の間隔を開けるという事は、再石灰化に必要な時間を充分に取るという事です。
ところが、間隔を開けずにダラダラと飲食をし続けると、次から次へと酸の材料となる糖が補給される為、プラークのpHはいつまで経っても中性になりませんし、再石灰化も起こりません。一方的に溶かされ続けるだけです。
同じ分量の糖を摂る場合、一度に摂るよりも回数を分けて摂った方がムシ歯になりやすい事が実験で証明されています。

糖濃度が高い場合

逆に、同じ摂り方をした場合、糖の量に比例してムシ歯になる危険が増します。これは、糖濃度が高い方が強い酸が作られ、プラークのpHがより下がる為です。また、pHが低ければ低いほど中性に回復するまでに時間がかかり、エナメル質が酸にさらされている時間が長くなります。

寝る前に飲食した場合

プラーク中に作られた酸を中和し、脱灰されたエナメル質を再石灰化するのは唾液の働きによるものです。唾液は、起きている時には食べ物や咬む刺激により分泌が促され中和に再石灰化にと活発に働いてくれるのですが、睡眠時には分泌が止まってしまいます。
下がったプラークのpHが中性に戻るのには約1時間かかりますので、逆算すると寝る前1時間以内に糖を含んだ飲食物を摂ると、プラークのpHは一晩中低く保たれてしまいます。要するに、寝る前に食べると朝までかかってジックリとタップリと歯は溶かされてしまうのです。
もちろん、“完璧に”プラークを除去する事(歯磨き)ができれば寝る前に食べてもムシ歯にはなりませんが、“完璧に”プラークを除去する事はかなり困難です。

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