含嗽

スピットン

うがいの種類

僕たち歯医者は、普段は患者さんに対してなるべく平易な言葉使いを心掛けていますが、実は難しい言葉も少しだけなら知ってるんですよ。例えば、うがいの事はちょっと難しく含嗽(がんそう)と呼びますが、含嗽と書いて「うがい」と読むこともあるようです。含漱と書く場合もあるようで、こちらは夏目漱石の「漱」で、要するにうがいという意味です。
患者さんがいない所では、うがい薬の事を「含嗽剤(がんそうざい)」とかってわざと難しく呼ぶ事もあります。

うがいは目的によって大きく2つに分けられます。

  1. ブクブクうがい:口の中を洗う
  2. ガラガラうがい:喉を洗う

本日の話は、ブクブクうがいです。

ブクブクうがいの方法

僕は、別にどっかで習う事もなく、気が付いたらできるようになっていましたが、うまくできない方もいらっしゃいます。

このブクブクうがいは、「口の中の形を変える事によって水流を作り出す」ってのが正しい方法だと思います。左右の頬を交互に緊張させて横方向に水流を作る方法と、舌の形を変えて前後方向の水流を作る方法に分かれます。
横方向の場合は左右交互に頬が膨らみます。一方、前後方向の場合は両頬が膨らんだりしぼんだりを繰り返します。
両者をミックスして行うこともあるでしょうし、更に高度な技として片側の頬だけを使って前後方向にゆすぐ事もあります。その場合は片方の頬だけ膨らんだりしぼんだりを繰り返します。

ちなみに、僕は前後派です。

変わったブクブクうがい

患者さんは歯科治療中に何度かブクブクうがいをしますよね、ほとんど。
なので、僕たちはものずごい数の方々のブクブクうがいを今までに見てきているって事になります。
ほとんどの方が、前述の方法でブクブクうがいをなさいます。

でも、ごく稀に、顔を振る患者さんがいらっしゃるんですよ。イヤイヤをするように顔を振って、慣性を利用して水流を作ってるんでしょうね。
最初見た時は「!」と思いましたが、最近では珍しいうがいに遭遇できてラッキーだと思うようになりました。

でも、顔を振りまくって、頭クラクラしないんでしょうかね?
治療の仕上げに口をゆすいで貰って終わる際にあれをやられると、ちゃんとユニットから降りられるのか、待合室まで真っ直ぐ歩けるのか、ちょっぴり心配になります。

ブクブク終了の合図

歯医者にうがいを促されると、皆さん半身をねじってスピットンの方を向きます。
スピットンとは、ブクブクした後に水を吐き出す為の陶器やガラスでできた鉢です。で、水を口に含んでブクブクブクとやるわけですが、中にはイヤイヤをするような不思議な動きの方もいらっしゃいます(前述)。

普通にブクブクする方も、イヤイヤの方も、大体はうがいが済むまで半身を捻じったままです。なので、前を向く動作がうがいの終了を意味します。

ところがね、水を口に含む時は当然半身を捻じって横向くんですが、その後に前を向いてブクブクする方が稀にいらっしゃるんですよ。一回目に前を向いた段階ではうがいは終了しておらず、二度目に横を向いた時に水をスピットンに吐き出すつもりなんでしょうけど、僕にとっては「患者さんが前を向く=うがい終了」ですので、はい倒しま~す!とかなんとか言いながら条件反射的にユニット(治療椅子)を倒しちゃうんですよ。ゆっくり倒れて来た患者さんの頬が水で膨れてるのを見て、慌ててユニットを起こすってな事態になるわけです。

麻酔が効いてる時のブクブク

麻酔で唇が痺れてしまった状態で思い切りブクブクすると、鉄砲魚のように水が口から発射されます。
歯科の麻酔は知覚がなくなるだけで、運動は制限されません。なので慎重に固く口をつむってブクブクすれば鉄砲魚にならずに済むんですけど、知覚が麻痺してるもんですから、力加減がわかんなくなっちゃうんですね。

床に水をこぼしちゃった患者さんは恐縮なさるんですが、日常茶飯事ですので気にする必要は全くありません。

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