マスクをアイロンがけ?

アイロン

アイロンで消毒

マスクをオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で滅菌した奴が、今度はアイロンで消毒してみたという報告がSNS経由で入りました。
オートクレーブだと時間がかかるので、患者さんごとにアイロンを掛けて殺菌するという事らしいです。
マスクの消毒において僕は薬品を信頼していますけど、彼は熱にこだわっているようです。
せっかく友人が頑張っているのに、「お前、そりゃ方向違いだろ」とはなかなか言えませんし、色々独自の方法を試して報告してくれた方がこちらとしても楽しめるので、優しく見守っています。

アイロンの温度は100℃が上限らしい

熱にこだわる彼が実験したところによると、アイロンの温度が100℃を超えるとマスク表面が融けるそうです。
なので、アイロンの設定温度は100℃を超えないようにすべきだと主張しています。
だったら仮に100℃ならマスクの機能は大丈夫なのか、ウイルスは感染力を失っているのか、なかなか個人では調べる事が難しいものです。

国立感染症研究所のサイトから情報を調べると、新型コロナウイルスに汚染されたリネン類は80℃10分間の熱水洗濯を行うようにと書かれている書類が見付かりました。80℃のお湯なら10分のところ100℃のアイロンならジュッ!と一瞬で新型コロナウイルスが死んでくれるのかどうか分かりません。死んでくれるような気もしますが、頑張って生き残りそうな気もします。僕が信じるアルコールや次亜塩素酸ナトリウムだって吹き付けたり拭いたりして新型コロナウイルスが死滅してくれたのを確認する手段が現実的には無い為、似たようなものかもしれません。

マスクの耐熱性や耐薬剤性

以前記事にした通り、マスク会社サイドでは「再利用を前提に作っていないので検査は行っていない」という姿勢ですので、どうやって何で消毒したら性能が低下しないかという事はわかりません。・・・というか、ややこしい言い方ですが、「どうやっても性能は低下する可能性が否めない」と思っといた方が良さそうです。

熱で新型コロナウイルスを死滅させる方法でも、次亜塩素酸ナトリウムやアルコールで新型コロナウイルスを死滅させる方法でも、どっちもマスクの性能低下が保証されない中でよんどころ無く消毒しないわけに行かないとなった場合、消毒の確実性で方法を選択すべきでしょう。

新型コロナウイルスの消毒について

言い方がちょっと違うのは承知してます。新型コロナウイルスを消毒するんじゃなくって、新型コロナウイルスに汚染された可能性のあるマスクを消毒するんです。でも、長くてややこしいので、新型コロナウイルスの消毒という表現を使っただけです。

どっちみちマスクの再利用を目的とした消毒は推奨されないですが、どうしてもやるならコレだろうという事で、以下にピックアップしときます。

※アイロンがけは最初からボツです(笑)

オートクレーブの場合

友人は121℃と132℃で試してみて、両方とも問題無し(根拠も無し)と判断してましたが、国立感染症研究所の推奨だとオートクレーブは121℃20分でいけそうなので、低い温度の方がマスクの素材に対しては優しいと思われますので、プラスチック類対応の121℃で行えば良かろうと思います。

一般の方でオートクレーブをお持ちの方はあまりいらっしゃらないと思いますので、参考にはなりませんよね。

次亜塩素酸ナトリウムの場合

平滑面の消毒に関しては0.05%で清拭せよと書かれている場合と1000ppmで清拭せよと書かれている場合が混在します。ちなみに、1000ppmは0.1%です。
また、次亜塩素酸ナトリウムのリネン類を消毒する際は0.1%で30分浸漬せよと厚労省のサイトにあります。
マスクの場合は0.1%30分と考えて良さそうです。

次亜塩素酸ナトリウムは時間が経つと塩化ナトリウム水溶液(塩水)になりますので、必ずしも濯ぎを丹念にやる必要がありません。

アルコールの場合

他の記事にも書きましたが、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスのようにエンベロープを持つウイルスに対する消毒力は、エタノールとイソプロパノールに差はあまりありません。
一般的にはアルコール消毒で新型コロナウイルスを不活性化するには15秒必要と言われているようですが、丸石製薬株式会社の医療関係者情報サイトによると、エンベロープを有するウイルスを不活性化するのに消毒用エタノール(80%前後)と70%イソプロパノールと50%イソプロパノールの間に差は無く、どれも10秒という事でした。

まとめ

マスクの消毒について、推奨される方法はありません。基本的にマスクは使い捨てを前提として作られていますので、再利用を行うべきではありません。
それでもこのマスク不足の折り、どうしても再利用しなければならない場合もあるでしょう。
再利用する場合、消毒を行った方が良いのか、そのまま使った方が良いのかも、使い捨て前提ですから示されたデータが見付かりません。

結局のところ推測するしか無いわけですが、アイロンは消毒効果と性能低下、両方ともいかにも怪しいので、僕はやめときます。

たぶんですけど、「いよいよやばい」となったら診療ではPFEかVFEが高確率なマスクを使って基本的には1日1枚の使い捨て。ゲホゲホやってていかにも怪しい患者さんを応対した場合は(ゲホゲホ時点で治療は無理)その後に廃棄。
BFEしか書いてないマスクは飛沫までしかカットできませんので、患者さんごとに交換。2時間以内の会議や買い物の場合にはこれでもOKでしょう。

で、「いよいよやばい」状態になる前の今は、マスクを患者さんごとにアルコール消毒しつつ2日に渡って使っています。
夜には0.1%次亜塩素酸ナトリウムでびしょびしょにして干しておくと、翌日には乾燥して塩素臭もありません。

マスクの感染予防効果が疑問視されているのに加えて推奨外の使用方法ですので、怪しい事この上ありませんし、推奨するものでもありません。参考になさる場合はくれぐれも自己責任でお願いします。

以下、マスク再利用のついて最新の記事です。

マスク再利用の現状
新型コロナウイルスの感染症が発生して真先に品切れになったマスクについて、少し状況が変わりましたので、現状に合わせた考えを述べてみました。
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