知覚過敏にシュミテクト
先日、シュミテクトを売ってるんだか作ってるんだかのグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社でうちの地域の営業担当の方が突然来院されて、サンプルを送ってくれるという約束をして帰りました(本当はもっといろいろ話した)。
そしたら今日、どーん!とそのサンプルが届いたんですよ。宅配のおにいさんが息を切らすほど大量に。
いくら大量にサンプル貰っても、通常、僕が使って良いと思わないとうちの歯医者では患者さんに勧めません。
なので早速、今晩の歯磨きからシュミテクトの歯磨剤とシュミテクトの知覚過敏用ハブラシ3次元フィットを使ってみるわけです。
皆様には、一足先というかフライングというか、結果が出る前にひとまず説明やら報告やらをしておこうと思って、写真を撮ってブログに書き込んでいる次第です。
もらったサンプルの内容
大小取り混ぜ段ボール箱6つに入っていたのは、以下の商品サンプルです。
シュミテクト コンプリートワンEX
箱の「コンプリートワンEX」の下に「7つの働きがひとつに」とあります。
- シミるのを防ぐ
- 歯周病予防
- 歯を白くする
- ムシ歯予防
- 口臭防止
- 口中クリーン
- 歯石沈着予防
なんだか欲張りな奴です。7つもの効果があるからコンプリートなんですね。
沁みるのを防ぐ有効成分はたぶん、硝酸カリウムですね。あと、むし歯予防を目的に高濃度フッ素(1450ppm)が入っています。
シュミテクト 歯周病ケア
箱の「歯周病ケア」の下に「歯肉炎+歯周炎予防」とありますが、箱の裏の効果・効能を読むと以下の効果・効能を謳っています。
- 歯がしみるのを防ぐ
- 歯肉炎の予防
- 歯周炎の予防
- むし歯の発生および進行の予防
- 口臭の防止
- 歯を白くする
- 口中を浄化する
- 口中を総会にする
ちょっと待て、コンプリートを超えとるじゃないの。
箱の横にちっさい字で成分が書いてあるので、老眼鏡を掛けてもなお眉間に深く皺を寄せながら読んでみると、コンプリートワンと歯周病ケアの成分は同じですね。含有するバランスは違うのかもしれませんけど・・・というか、バランスが同じなら同じ物になってしまいますので、含有量が違うか、成分表示の義務が無いところの何かで性質を変えているのかの、どちらかですね。
シュミテクト 知覚過敏用ハブラシ3次元フィット
極細で先がシュッとしてる毛と普通っぽい毛が、何種類かの長さで植わってるのが特徴の歯ブラシです。
極細で先がシュッとしてる毛を「シルキー毛」と呼ぶらしいんですが、最先端は0.02mm以下の太さ、長さは8mmで歯間や歯と歯ぐきのすき間までクリーニングしてくれるらしいです。
何種類かの長さで植わってる毛を「3次元植毛」と呼ぶらしいんですが、それが3次元フィットで奥歯の奥の磨きにくいところまでしっかり届くらしいです。
とっ・・・とにかく、使ってみてまた報告します(たぶん)。
カムテクト コンプリートケアEX
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)がバクテリアを殺菌、グリチルリチン酸モノアンモニウム(MAG)が炎症を抑え、歯周病を予防するという話です。
以下に効能を列記します。
- 歯を白くする
- 口中浄化
- IPMPがバクテリアを殺菌し、歯肉炎予防
- MAGが抗炎症作用で歯槽膿漏予防
- フッ素配合で、歯を強くしてムシ歯を予防
- 口中爽快
- 口臭予防
- 歯垢除去
予感はありましたが、やはり流石コンプリート!という感じです。
しかし、明らかにシュミテクトとは薬効成分が違い、性格付けができているように思います。
ポリデント デンタルラボ
部分入れ歯専用ブラシと泡ウォッシュで部分入れ歯を奇麗にして、高濃度フッ素配合の薬用ハミガキで歯を奇麗にするというシステムらしいです。
歯磨剤を見てみると、抗炎症作用の薬用成分MAGが歯ぐきに浸透、IPMPが原因菌を殺菌し、歯周病を予防するって・・・カムテクトと共通する部分が多そうです。
新ポリグリップ 無添加
色素と香料を含まないクリームタイプの入れ歯安定剤です。
歯医者としては入れ歯安定剤ナシで安定する入れ歯を作る事を目標とするわけですが、ケースによっては入れ歯安定剤を勧める事もあります。その場合お勧めするのがこのポリグリップです。
これを使うと入れ歯を引き剥がすのに苦労するぐらい粘着性があります。
患者さんがポリグリップを付けたまま来院なさると入れ歯に付いたポリグリップを除去して歯肉に付いたポリグリップも除去しなければならず、治療をするのにえらく時間が取られてしまうので、あらかじめポリグリップは自分で取ってきて貰うようにお願いしますが、ポリグリップをお使いの方は往々にしてご高齢なので、僕のお願いをお忘れになる事が多いです。
シュミテクトの知覚過敏抑制効果
シュミテクトの知覚過敏抑制効果は、歯の神経の周囲をカリウムイオンが多く取り巻いていると神経の細胞が興奮しにくくなるということを利用したものです。
このカリウムイオンは配合された硝酸カリウムから放出されるものと思われます。
知覚過敏の治療には、
- 神経線維の伝達を妨げる
- 象牙細管の口を封鎖する
- 象牙質を被覆する
- 歯髄を取る
という4つの方法がある事を過去の記事でお伝えしましたが、シュミテクトはこの中の1に当たります。
シュミテクトの中には研磨剤が入っており、2の象牙細管の口の封鎖にはマイナスに働く可能性があります。薬効によって神経線維の伝達を妨げるくせに象牙細管の口の封鎖も妨げるってジレンマがありますが、今回のサンプルにはありませんでしたが『シュミテクト トゥルーホワイト』という製品があり、これは研磨剤を含んでいないという事です。


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